借金・倒産

個人再生事件

事案の概要
 多重債務に陥り,返済不能になった。住宅ローンも支払えなくなり,保証会社に代位弁済され,競売手続が申し立てられていた事案。
解決内容
 住宅をどうしても残したいという希望が強かったことや,試算によれば個人再生手続による債務減額後の返済が履行可能であったことから,個人再生手続きを申し立てるとともに,競売手続の中止決定を得た。 その後,個人再生手続の中で,一般債権だけでなく,住宅ローンの返済計画を作成し,無事,裁判所の認可を得ることができた。 これによって,競売手続が取消しとなり,保証会社の代位弁済も巻き戻され(保証会社が代位弁済する前の状態に戻ること),再生計画案どおりに返済を継続することで,住宅を残しながら,生活を再建することが可能となった。

会社の民事再生

事案の概要
 金融危機により,急激に売上が落ちてしまった電子部品の製造等を行なっている会社の社長が,破産するのではなく,何とか民事再生手続によって,生き残りたいと希望した事案。
解決内容
 裁判所に民事再生の申立を行ない,支払いを一時ストップさせて,各地にあった工場も千葉の工場のみに整理した。その上で,事業を継続しながら,債権者の協力も得て,約38億円あった債務を,約1億5000万円にしてもらい,これを10年間で支払うという再生計画案について,債権者の同意と裁判所の認可を受け,会社を存続することができるようになった。

個人再生事件

事案の概要
 住宅ローンの他,多額の借金を抱えていた男性が,家族のために自宅を残したいとの希望で,小規模個人再生を申し立てた事案。
解決内容
 この男性は,自宅を建てた際,住宅ローンとは別にローンを組んで,エコキュートを備え付けていた。これについて,個人再生手続の中で,どのような扱いにするか(機械の引き上げか,別除権扱いとするか)が問題になったが,この男性および家族は,エコキュートの使用継続を希望していた。ローン会社と交渉の末,エコキュートのローンについては,別除権と同様の扱いをすることとし,ローン会社との間では,弁済協定を結ぶことで,エコキュート本体の引き揚げを免れることができた。その後,再生計画案が認可され,住宅ローン+3年間で合計100万円を支払う内容に債務が圧縮された。

個人の破産申立

事案の概要
 過払い金の回収はできたが,過払い金を上回る程度に債務が相当額あるため,夫婦で破産手続を申し立てた事案
解決内容
 夫婦とも高齢で病気がちであり,入退院を繰り返していたため入院費用として相当額の出費があったことから,自由財産拡張の申し立てを行った。その後,手続き中に夫が死亡したことから,葬儀費用等の出費が予想されたため,妻の過払い金の残金から,追加的に自由財産の拡張を申し立てたところ,管財人の意見もあり,最終的に,裁判所から自由財産の拡張を認めてもらうことができ,過払い金のうち相当額を破産者らの手元に残すことができた。

個人の破産申立

事案の概要
 ストレスからうつ病になり,キャッシングをしてパチンコ等をした結果,多額の負債ができたため,破産申立をした事案
解決内容
 借金をしてパチンコをしていたため,免責不許可かどうかが問題となった。ストレスの原因,うつ病の症状の程度,反省状況等について,裁判所に丁寧に報告し,最終的に借金の免責をしてもらうことができた。

会社の破産

事案の概要
 資金繰りがショートし,返済が困難となった会社から破産申立の依頼を受けた事案
解決内容
 受任通知を発送し,支払い停止の状態にした上で,リースの引き揚げへの対応,その他債権者との対応,解雇された従業員への対応等を行った。その上で,事前にできうる処理を行い,破産申立を行った。事前の処理が問題なくできていたため,破産手続が短期間で終了することができた。

任意整理

事案の概要
 多重債務状態に陥り,それでも返済を続けていたが,病気となってしまい,返済が難しくなった事案。
解決内容
 債権調査を行ったところ,過払い金が発生しつつも,他方で過払い金以上の負債も残る状態であった。当初は,破産を検討していたが,債権者と交渉した結果,過払い金で返済できる程度まで負債の減額に応じてもらうことができたため,破産をせずに解決することができた。

借金返済を免れた事案

事案の概要
 10年近く前に金融業者から借り入れをして,その後2年程度で返済ができなくなり,そのままになっていたところ,今になって突然,全く知らない金融業者から,その貸金債権を引き継いだといって,利息と遅延損害金を含め数百万の支払いを督促する文書が届いた事案。
解決内容
 最後の返済からすでに5年経過していたことから,金融業者に対し,消滅時効を援用する通知を送付した。
 これにより,借金を返済する義務を全額免れることができた。

過払い金を回収した事案

事案の概要
 複数の金融業者から多額の借金があり,利息が嵩んで月々の返済額が高額になり,支払いが困難になったと相談に来た事案。
解決内容
 各金融業者に対して受任通知を送り,取引履歴の開示を受け,利息制限法によって引き直して計算を行ったところ,借金はすでにゼロになっており,逆に払いすぎた金銭(いわゆる過払い金)があることが発覚した。
 そこで,各金融業者と任意の交渉をし,これに応じない場合には裁判を起こして,全額回収することができた。